そっと扉を開き、素早く内部を確認し、部屋に入った。
照明はついていない。
神経が針のように研ぎ澄まされていく。
暗闇に目が慣れてくる。
そっと足を進めると、リビングのソファに人影を確認する。
サイレンサーを向け背後から素早く近づく。
ターゲットだった。絶命している。
テーブルの上には大量の睡眠薬。
くそっ
しかし、こいつは少し前までお楽しみだったはずだ。
薬殺?
と、思った瞬間、視界の隅に人影をとらえた。
体は自然に反応し、素早く横っ跳びに回転しながら、引き金を絞る。
パスッ パスッ
人影が崩れ落ちる。
確実に腹部をとらえた。
別の人影が視界に入る。
さっと構えてさらに引き金においた指先に力を込めようとしたその瞬間だった。
「やめて!」
その声は!
立ち上がりルームランプを一つだけつけた。おびえた人影が薄明かりに浮かび上がる。
シャーロット…
「リュウイチ!? どうして…」
しばらく、茫然と見つめあっていた。
「やっぱり来たわね、リュウイチ。」
先ほど倒したはずの影が立ちあがった。
ヨシエ??
「ふうっ、ちゃんと防弾チョッキつけておいて良かったわ。」
「だいじょうぶよ二人とも、落ち着いて。」
「私もあなたと同業なのよ。リュウイチ。 実は、そのいやらしい先生から、自分を狙う暗殺者を始末してほしいと依頼されたの。」
ヨシエは両手を見える位置に出して数歩近づいた。
「安心して、そんな気は全然ないから。」
「その時思ったのよ。こいつを始末しに来るのはリュウイチに違いない。じゃあ、こいつの始末は私がしてあげようってね。そしてあなたの仕事は私が引き継ごうってね。」
「もう引退するつもりでしょ。わかってるのよ。」
そうだったのか。まったく。
「シャーロットさん、よかったわね。これでお姉さんの仇がとれたじゃない。」
「あなたは手を汚すことなかったのよ。」
「ありがとう、ヨシエさん・・・」
「さあ、早く行って。私は後かたずけをして消えるから。」
OK。これで引退だ。いこう、シャーロット…
「あっ、リュウイチ、シャーロットさん、子供のことよろしくね!」
・・・・・・